突然ですが、車のディーラーで「残クレ」って聞いたこと、ありませんか?
「月々○○円で新車に乗れますよ!」というアレです。筆者も昔、ディーラーでコーヒーを飲みながら営業さんの説明を聞いて、「え、こんなに安く乗れるの?」と目を丸くした記憶があります(結局、普通のローンにしましたが…)。
さて、あの「残クレ」の仕組みが、なんと住宅ローンにも登場しているのをご存じでしょうか。今回は「残価設定型住宅ローン」について、できるだけわかりやすく解説していきます。

残価設定型住宅ローンとは、将来の住宅の想定価値(=残価)をあらかじめ設定し、借入総額からその残価を差し引いた金額だけを分割返済していく仕組みのローンです。
たとえば、5,000万円の住宅を購入し、25年後の残価を1,500万円と設定したとします。この場合、毎月の返済対象になるのは差額の3,500万円分。残りの1,500万円はローン期間中ずっと据え置かれ、最終回にまとめて精算するという流れです。
車の残クレを住宅に応用したものと考えると、イメージが掴みやすいかもしれません
。

ここが一番気になるポイントだと思いますので、主な違いを整理してみましょう。
返済対象の範囲が違います。 通常の住宅ローンでは、借入額の全額を返済期間で割って毎月コツコツ返していきます。一方、残価設定型では「残価」を除いた部分だけが毎月の返済対象になるため、月々の返済額がぐっと抑えられます。
ただし、利息の仕組みには注意が必要です。 残価設定型では、据え置いている残価部分にも利息がかかり続けます。元金がなかなか減らないぶん、ローン全体を通しての総支払利息は通常のローンよりも多くなる傾向があります。
完済のしかたも異なります。 通常のローンは最後まで返済すれば完済ですが、残価設定型ではローン期間終了時に「残価をどうするか」を決める必要があります。ここが大きな分岐点になります。

設定された期間が満了すると、据え置いていた残価について次のいずれかを選ぶことになります。
① 一括返済する
手元の資金で残価を支払えば、住宅は完全に自分のものになります。退職金や貯蓄を充てるケースが想定されます。
② 売却して精算する
住宅を売却し、その売却代金で残価を返済する方法です。売却額が残価を上回れば差額が手元に残りますが、逆に下回ってしまった場合は自己負担が発生します。買取保証が付いているタイプであれば、このリスクは軽減されます。
③ 再ローンを組む
残価部分について新たにローンを組み直し、引き続き住み続けるという選択です。返済期間は延びますが、住み慣れた家を手放す必要がありません。
④ 返却・賃貸に出す
移住・住みかえ支援機構(JTI)の制度を利用する場合などは、家を返却してローンを完済したり、賃貸に出して家賃収入を得たりするオプションが用意されていることもあります。
④ 返却・賃貸に出す
移住・住みかえ支援機構(JTI)の制度を利用する場合などは、家を返却してローンを完済したり、賃貸に出して家賃収入を得たりするオプションが用意されていることもあります。

残価設定型住宅ローンならではの魅力は、いくつかあります。
月々の返済が軽くなる。 最大のメリットはここです。残価分が据え置かれるため、同じ価格の物件を買っても毎月の負担が抑えられます。家計のキャッシュフローに余裕が生まれるので、教育費や趣味、貯蓄に回せるお金が増えるイメージです。
ワンランク上の物件に手が届く。 月々の返済額が抑えられるということは、同じ返済能力でもより高い価格帯の物件を検討できるということ。立地や広さ、設備など、従来は諦めていた条件の住宅を選べる可能性が広がります。
住み替えに柔軟に対応しやすい。 人生100年時代と言われる今、ライフステージの変化に合わせて住まいを変えたいというニーズは高まっています。残価設定型なら、ローン満了時に売却や返却といった選択肢があるぶん、将来の住み替えを前提としたプランが立てやすくなります。

もちろん、良いことばかりではありません。利用を検討するなら、以下のポイントはしっかり押さえておきましょう。
総支払額は多くなりがちです。 繰り返しになりますが、残価部分の元金返済が後回しになるぶん、利息が長くかかります。月々の返済は楽でも、トータルで見ると通常のローンより多く払うことになるケースが多いです。
将来の住宅価値が下がるリスクがあります。 残価は「将来この家はこのくらいの価値があるだろう」という見込みで設定されます。しかし、経済状況や地域の変化によって、実際の売却額が残価を大きく下回る可能性もゼロではありません。その場合、差額は自己負担になります。
対象物件に制限がある場合があります。 残価を安定的に設定するために、長期優良住宅など資産価値が維持されやすい認定住宅に限定されていることがあります。どんな物件でも利用できるわけではない点は、事前に確認が必要です。
他の借入審査に影響する可能性があります。 据え置かれた残価は「負債」として残り続けるため、他のローンを組む際の審査に影響を及ぼすこともあり得ます。

残価設定型住宅ローンは、万人向けというよりも、以下のようなニーズを持つ方に特に向いている選択肢です。
こうした希望をお持ちであれば、検討してみる価値はあるでしょう。

住宅ローンの選び方は、その人の収入やライフプラン、価値観によって大きく変わります。残価設定型住宅ローンは比較的新しい選択肢ですが、官民を挙げて普及の取り組みが進んでおり、今後ますます注目を集めそうです。
車の残クレと同じように、「知っているかどうか」で選択肢が変わる時代。住宅ローンの新しい形、ぜひ頭の片隅に置いておいてくださいね。
とはいえ、「仕組みはわかったけれど、自分の場合はどうなんだろう?」「今の家を売って住み替えるとしたら、いくらで売れるんだろう?」──こうした疑問は、一人で抱え込まずプロに相談するのが一番です。
ランド・フリーダムは、大阪府寝屋川市・交野市・枚方市を中心に関西全域で20年以上、不動産の直接買取・不動産開発などの不動産業を営んでおります。
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